監査役の義務及び責任

1．監査役の義務

(1) 善管注意義務

     会社と委任関係にある監査役は、受任者として会社に対し善良な管理者としての注意もって委任された義務を行う

(2) 取締役会に報告する報告義務

     取締役が法令及び定款に違反または違反する恐れがあると判明した場合、取締役会に報告する(商法第391条の2第2項)

(3) 秘密保持義務

     在任中だけでなく退職後も職務上取得した会社の営業秘密漏洩禁止(商法第415、第382条の4)

(4) 株主総会に関する意見陳述義務

     株主総会に提出する議案及び書類を調査し、法令及び定款に違反する又は著しい不正事項がある場合は株主総会に報告する(商法第413条)

(5) 監査報告書の作成及び提出義務(商法第413条の2)

     監査役は、決算期ごとに取締役から提出された財務諸表及び営業報告書を監査し、定められた期限内に監査報告書を作成し代表取締役に提出する

     (商法第47条の4第1項)

2．監査役の責任

(1) 監査役がその任務を怠ったときは、その監査役は会社に関して連帯して損害賠償責任を負う(商法第415条第1項)→総株主の同意で責任免除可能

     (商法第415条、第400条)

(2) 監査役が同意又は中過失によりその任務を怠ったときは、その監査役は第3社に関して連帯して損害賠償責任を負う(商法第415条2項)

(3) 監査役が会社または第三者に関して損害賠償責任を負う場合、取締役も責任がある時は、その監査役及び取締役は連帯して損害賠償責任を負う

     (商法第415条第3項)